< 地震対策には必須の地盤改良工事
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●地震対策には必須の地盤改良工事

         

地盤改良工事は、地震が頻発する現代に於いて、必須の工事になりました。日本の殆どの平野は沖積平野です。山から川の流れによし、土砂が運ばれて、運ばれた土砂が浅瀬に堆積し、陸地になったのが沖積平野です。
大阪平野は、数千年前に陸地化した平野ですが、上町台地付近を除けば、殆どが軟弱です。
この現場の敷地は、奈良県の丘陵地にあり、地山は非常に硬い地盤ではあるのですが、地面から2m程度は、盛り土がなされており、しかも粘土層であった為、圧密沈下による不同沈下が懸念されました。
圧密沈下とは、長時間を掛けてゆっくり沈み込む沈下の事で、建築後すぐには、大きな影響は出ないのですが、10年20年と云う単位で、ゆっくりと沈下していき、基礎の割れや建付けのゆがみが生じて来ます。その危惧を無くすため、今回は柱状改良を施しました。

★地盤改良の種類
木造住宅の場合、地盤を改良する手段として、主に杭工事・柱状改良工事・表層改良工事があります。
杭工事は、木造住宅の場合、多くは鋼管杭が用いられます。地震時に建物を支えてくれるだけでなく、地盤が液状化した際にも有効であるとされています。支持層が5m以上深くなると、杭工事でないと建物を支持する事が出来ません。
柱状改良は、杭工事の様に地面に穴を開けて、土に改良剤を混ぜたものを圧力を掛けながら、埋め戻して、柱状に地盤を改良する工法です。柱状改良は杭ほど頑丈ではありませんので、建物の荷重は支える事は出来ますが、地震によって発生する横向きの力には無抵抗です。ですので、地滑り等の発生する事が懸念される地域には向きません。また液状化によっても支持耐力を失う事が予想されるため、液状化が懸念される地域にも向きません。支持層の深さが約5m以内で液状化や地滑りの恐れの無い場所に用いられます。
表層改良は、建物の下の地面全てに改良剤を散布する工法です。支持層が2m程度の浅い位置にある場合有効な改良方法です。建物下全体を改良しますので、液状化には有効ですが、支持層が浅い地域でないと改良剤が深部にまで届きません。また、確実性に欠け、建物した全体を掘り返す事になりますので、隣地境界が狭い場所であれば、施工が難しくなります。

★地盤改良の費用
杭工事は最も信頼のおける地業ですが、木造住宅の様に柱の本数が多い建物では、杭の本数が多くなり、割高になります。鉄骨造や鉄筋コンクリート造の様に柱の本数が少ない建物に有効な地業です。
木造住宅の場合の費用は、一般的に200~250万円前後になります。
柱状改良は、支持層の深さが5m以内であれば、狭小地でも施工可能な為、最近では最も多く用いられる地業です。支持層の深さにより費用は異なりますが、一般的な住宅であれば70~100万円程度です。
表層改良は、支持層の深さが2m以内でないと施工出来ないため、最近ではあまり用いられなくなりました。掘り込みガレージや、L型擁壁を造って、土を埋め戻す際に、改良剤を撒く程度の使われ方をしています。専門業者でなく、基礎工事業者が掘削して改良剤を撒く様な工事が主で、地盤強度の信頼性も他に比べ劣ります。費用は50万円前後です。

★各工事の長所短所
杭工事は、施工が最も確実で、どの様な条件でも建物を支えてくれますので、オールマイティーと云えますが、費用は高く、特に木造住宅の様に柱が数多くあり、荷重が分散して地盤に伝達される場合、杭の本数も多くなってしまい、不経済となります。
柱状改良は、支持層の深さが5m程度の深さまで対応出来ますので、木造住宅では最も多く採用されています。費用も杭工事に比べると経済的で、信頼性もある程度高いですが、液状化や地滑りと云う地震に付随してくる災害には無抵抗です。その為、予算が無いから柱状改良と安直に判断する事は出来ません。
表層改良は、最も安価に地盤を改良する事が出来ますが、支持層が浅くないと施工出来ず、建物の下全域を掘り返しますので、隣家に影響が出る可能性があります。

地盤改良は、出来上がってしまえば、土の中の話しですので、どこのお金を掛けたのか分からなくなってしまう工事の代表です。しかしお金を掛けても実感出来ないからと云って、手を抜くと大変な事になります。家を長く、安心して住み続けたいとお考えになるのであれば、決して安易に考えてはいけない工事です。

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