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●注文住宅の概算

         

自分が欲しいと思う家は幾らくらいするのでしょうか。弊社が今までに設計してきた家の工事費の内訳の平均値を出しました。凡そのめやすになるのではと思います。
条件は木造在来工法二階建て、延床面積30坪前後、解体工事は無し、外構工事を含む、照明設備やカーテン什器備品は別途工事とします。
各工事項目のパーセンテージの合計が建築総額となります。つまり総工費2000万円の家であれば、そのうちの62.37%(1247.4万円)が建築主体工事に充当される事を意味しています。設備工事や外構工事に比べ建築主体工事の占める割合が極端に大きくなりますので、建築主体工事の内訳も記載いたします。

★標準的な木造住宅の工事費の内訳
★表1

名     称 単位 数  量 摘      要
共通仮設工事 1 4.08%
建築主体工事 1 62.37%
電気設備工事 1 6.11%
給排水工事 1 8.15%
ガス工事 1 2.04%
外構工事 1 8.15%
諸経費 1 9.09%
消費税 1 8.00%
      108.00%
★表2

名     称 単位 数  量 摘      要
仮設工事 1 3.92%
地盤改良工事 1 5.23%
基礎工事 1 7.84%
大工手間 1 19.61%
建材費 1 19.61%
屋根工事 1 7.84%
サイディング工事 1 5.23%
板金工事 1 1.96%
金属建具工事 1 9.80%
木製建具工事 1 5.23%
内装工事 1 2.61%
防水工事 1 1.31%
金属工事 1 1.96%
タイル工事 1 1.31%
住設機器工事 1 5.23%
雑工事 1 1.31%
       
      100.00%


★内訳表の見方
総額2000万円(消費税別)の建物を建てたいのであれば、主体建築工事費に回せる金額は表1より62.37%で1247.4万円となります。
その建築主体工事の内訳を表2に示しています。住設機器は5.23%を占めますから1247.4万円x5.23%で65.24万円の予算を掛けられる事になります。

★売建て住宅やハウスメーカーの概算見積もり

売り建て住宅やハウスメーカーの概算見積もりはもっと簡単です。
建物総額を住宅の延床面積で除した数値を坪単価として、坪数x坪単価で建物総額を表します。料金体系が単純明快ですので、坪数さえ分かれば工事金額が直ぐに出ます。しかし・・・・・
どの様な間取りでも同じ坪単価で工事出来る事はありません。建物は正方形に近いサイコロの様な建物が最も安く出来上がり、L型やT型の平面形状をした建物は割高になるのです。
メーカーはどの様な間取りに対しても、損が出ないようにしないといけませんから、坪単価を高い目の設定にします。これを考えると正方形に近い間取りは割高な買い物をする事になります。
坪単価と云いますのは、下請け業者から上がって来る見積もりの総和を延床面積で除した目安でしかありません。坪単価x延床面積=工事金額にはならないのです。

★カタチの無いモノに値段をつけるという事

注文建築と云うのは、建物を買う行為ではありません。
車とかテレビと云った工業製品は、原価計算をしっかりと行って、利益を正確に見込んで価格を決定しますが、注文建築はまだ影も形もないものに、前もって値段をつける作業です。
ですので、本来契約段階での値引きと云うのは無意味なのです。言い換えれば値引いた分、建物のどこかで手を抜かれても分からないのです。
それを防ごうと思えば、坪単価x延床面積と云った工事価格の出し方では無理で、詳細な見積もり書を書いてどの様なものをどれだけどの部分に使いますと言う事が明快になっていないと防げないのです。

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