● 初心者の為の土地探し講座1【夢を描いてみよう】
§1はじめに
貴方は、これから土地を探そうと考えておられます。もちろん家を建てるためですよね。
では何故土地探しから初めて、オーダーメイドの家を建てようとしているのですか?
不動産は他にも色々取得する方法があります。それでもオーダーメイドにこだわる理由は何ですか?
ここをしっかりと考えておかないと後で迷って前へ進めなくなります。
土地を探すうちに様々な雑音が耳に入ります。
「転勤が多いのに土地なんか買ってどうする?」
「マンションの方が、管理するのが簡単で気楽だ」
「生涯の住居費用を試算すると借家の方がトータルコストは安い」
「分譲住宅の方が、現物を見て買えるので失敗が無い」
凡そ異口同音にこの様な雑音が入ります。それでも土地探しから始められるのですね。
昨今の住宅着工件数は70万戸前後です。そのうちハウスメーカーが占める規格住宅の割合は10万戸に届きません。その他建売住宅やマンションを合わせても全体の半分程度です。
残りの半分の方は、貴方と同じ様にオーダーメイドの住宅にこだわっています。
大勢から見ても貴方の決断は間違っていません。
§2ぶれない心
単身者で数年に一度必ず転勤する様な勤務体制の方以外は、土地の購入を勧めています。
仮に、転勤でその土地を手放す事になっても損はしません。世間には【引越し貧乏】と云う言葉がありますが、無計画に不動産を処分しない限り、損することはありません。
「バブルの頃、土地が買えないのでマンションを買ったが、やっぱり一戸建てに住みたいので土地を探しているが、マンションが買った時の半分以下の値段でしか売れない・・・」
こんな相談を良く受けます。これは無計画に不動産を購入した為の悲劇です。
土地とマンションでは同じ不動産でも、資産価値が全く異なります。何故ならば土地は減価償却しません。マンションは築年数が経つと老朽化して価値が下がります。つまり減価償却するのです。
土地も景気の変動で価格が上下しますが、買い替えの居住用資産に関して言えば、売る時に安くしか売れなければ買う時も安く買えるのです。景気のタイミングを考えて、景気が下がり始める頃に売って、景気が上がり始める頃に買えば儲ける事も出来るのが土地です。
勿論土地の上に建つ建物は減価償却します。しかし景気の波を利用すれば、減価償却分程度の目減り分は土地値で吸収する事も可能になるのです。
賃貸住宅は確かに楽ですが、一石一城の主はやはり憧れで世間からのステータスでもあります。貴方への信頼感、世間からの評価、そう云ったものが借家住まいの時と比較して、変っているのが実感できます。
§3オーダーメイドとレディメイド
レディメイドのメリットって何でしょう。
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●現物が目の前にあるので気に入ったものを買える
●オーダーメイドと比べて安い
●大量に生産するので品質が安定している
この3点がレディメイドの最大の利点です。車にしても婦人服にしても、この理由で殆どがレディメイドの商品です。
デメリットもあります。
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●好みの選択範囲に限界がある
●自分にフィットしない
●同じものが世間に氾濫している
これらを解消する為にセミオーダーが考案されました。紳士服とかハウスメーカーの企画住宅がそれです。基本的なものはレディメイドで生産しておいて、目に見える部分のみ好みのものを選択できると云う物です。
レディメイドの良さを残して、オーダーメイドの良い点を取り入れたシステムで、住宅に関しても「プレハブ住宅」と呼ばれていた頃には効果を発揮していました。安くて、品質の安定した、自分好みの間取りを選択出来たからです。
現状はどうでしょう。 TV等で良く宣伝していますので、羽振りが良い様に思いますが、黒字経営はほんの一握りしかありません。ハウスメーカーは大手だけでも10社ほどありますが、ほんの一握りのハウスメーカーしか儲かっていないのです。
メリットの「現物を見て買える」は確かにショールームへ行けば、実物が見られますが、最近重要視されている、住み心地や光熱費・耐震性能までは判りません。カタログデータを信用するしかありません。カタログデータは車の10モード燃費と同様で、実際を反映するものではありません。
「オーダーメイドと比較して安い」はどうでしょう?安いですか?ハウスメーカーの建物の方が現状では高くなっています。その費用の多くの部分は広告宣伝費・営業経費と云った建物に関係の無い費用が盛り込まれています。
「大量に生産するので品質が安定している」もハウスメーカーの長所でしょうか?
現在は「住宅の品質確保の促進に基づく法律(品確法)」等の法整備がなされていて、建築主から温熱性能や耐震性能等9項目に渡り、数値で示せる性能を指定出来る様になっています。温熱等級4.耐震等級3などと指定すれば、全国一律の基準となって客観的に性能を伝える事が可能になりました。
住宅だけに限って言えば、セミオーダーとオーダーメイドとの差は無くなっています。
ハウスメーカーの家にはブランドと云う抽象的なメリットしか残されていません。
自分の為に造る、自分の為の家ですから、セミオーダーにこだわらずフルオーダーで家造りを目指すべきです。
§4終の棲家と考えない
自分の個性は固有のもので、ライフスタイルは変らないと考えてはいけません。
貴方を取巻く環境や、家族構成が変化すればライフスタイルは変るのです。
若い頃はカジュアルなライフスタイルを志向して、ポップな家造りを目指しても、世間が歳相応のステータスを見出してくれば、それに沿ったある程度風格のある家が欲しくなり、リタイアする頃には、土地環境も含めバリアフリーが気になるのです。
それらを全て賄える土地が見つかれば、それに越した事はありませんが、そんなに上手く手に入りません。土地を購入すると言う経験を一度すれば、金額が大きい事だけを除けば、他の買い物と大差が無いのが判ります。
一度きりの大勝負と考えず、今の自分にどれだけフィットするのかを考えて、土地探しをされた方が気楽です。
§5夢を描こう
土地を取得する為の、現在の素直な気持ちや夢を箇条書きにしておきましょう。
漠然としたことでも、数値目標でも構いません。これが土地探しを思い立った初期値としての貴方の気持ちです。
これから色々な雑音が入って来ますが、気持ちが動くたびに、これを見直して客観的に自己評価してください。
ポイント
気持ちがぶれない
家造りを目指すならフルオーダーで
慎重になり過ぎない
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