● 免震でないと安心出来ない理由。

● 実例:京都市伏見区 家族に寄り添えない人の為の免震住宅

         

  土地探しからお付き合い願えないかとのお問合せメールを頂き、水害の危険の無い土地。地盤の良い土地を重点的に探しました。建築主様のお仕事柄、大地震が発生した時、家族に寄り添えない可能性がある為、免震住宅を選択されました。

限られた予算の中で、免震住宅にお金を掛けるのは、勇気のいる決断です。この物件は、性能は良いけど、高価な転がり免震支承を用いています。そのため、プランを総二階にして、一階の床面積を抑え、且つ効果的に免震装置が働くよう、正方形に近いプランにしています。

免震住宅の基礎
通常の木造住宅と異なり、立ち上がりがありません。このコンクリート基礎の上に免震支承をセットして、その上に鋼製架台を組み立てます。鋼製架台の上に土台を敷き、それ以降は通常の木造の建物と同じ要領で建物が建って行きます。
基礎が受ける力は、免震支承を介しての垂直荷重のみで、曲げモーメントが発生する事はありません。その為、基本的に、地中梁は不要となります。

免震支承
転がり免震支承は、この基礎の上に10か所程度配置します。10個の鋼球で建物全体の重量を支えるのです。野球のボール程度の鋼球で、建物を支えます。鋼球の上下を鋼板の蓋で覆います。
この鋼板はお椀状にほんの少し勾配がついており、放っておけば鋼球が鋼板の中央に落ち着く様な仕組みになっています。
転がり免震支承は、摩擦係数が0に近く、安全装置外せば、大人一人でこの家を揺らす事も可能です。

風揺れ固定装置
転がり免震支承は、非常に高性能な為、風が吹いても建物が揺れてしまいます。その為、地震以外の横向きの力に抵抗する為の固定装置が必要になってきます。
その固定装置が写真の風揺れ固定装置です。完全な機械式の固定装置で、動力を必要としません。地震の横揺れのみ感知して、安全装置が解除され、免震する様になっています。


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