● 高齢者配慮

バリアフリーの等級は1から5まで5段階に分かれています。数字が大きい程、高基準になっているのは、各表示区分共通です。
等級5 長寿社会対応設計指針の奨励基準程度
等級4 長寿社会対応設計指針の基本基準程度
等級3 部屋の配置・段差の解消・階段の安全性・手すりの設置・通路出入り口の幅員・寝室便所浴室の寸法 の基本的な措置が行われているもの
等級2 部屋の配置・段差の解消・階段の安全性・手すりの設置 の基本的
な措置が行われているもの
等級1 建築基準法を満たしているもの

下記に具体的な内容を記しますが、等級の高い基準を守ろうとすれば、プランニングの自由度が大幅に制限されます。ご老人同居の場合は当然考慮しなければなりませんが、若いうちから老後に備えて準備しておくと云うのは早計かなと思います。持論ですが、住宅はライフサイクルに合わせて変化させるものであり、その為には10年毎に少し手を加えた方が快適に過ごせ ます。
云いかえれば当初要るものだけを造っておき、順次付け加えて行く方法も今後の建物のあり方ではないかな、と思うのです。
「一生モノだから」と云って、最初に大きな投資をして後は返済に苦しむだけ、みたいな今までの建て方では、今の時勢に合いません。先の見えない不確実な時代に大きな初期投資は危険です。
それやこれやを考えますと若いうちから、バリアフリー対策にお金を掛けるのも如何なものかと思うのです。
等級1は建築基準法さえ満足していれば取得できます。
等級2は下記項目をすべて満足する必要があります。
イ 部屋の配置
日常生活空間(高齢者が主に使用する空間)のうち、特定寝室(主に高齢者が使用する部屋)と同一階にトイレが必要
ロ 段差の解消
日常生活空間内で認められる段差:玄関の出入口でクツズリと玄関外部の段差が20mm以下のもの、且つ、クツズリと玄関土間の段差が5mm以下のもの
:玄関上りカマチ
:勝手口等の出入口・上りカマチ
:浴室出入口の20mmの単純段差、又は、内外高低差120mm以下+またぎ高さ180mm以下+手すり
:バルコニーの出入口
日常生活空間外で認められる段差:玄関・勝手口等の出入口・上りカマチバルコニー・浴室の出入口
:畳コーナー等の90mm以上の段差
ハ 階段の安全性
勾配 :22/21以下
:550mm≦けあげx2+踏面≦650mm且つ
踏面は195mm以上
蹴込み :30mm以下
曲がり部分の寸法 :適用の除外規定あり
建築基準法 :遵守
形式 :規定なし
ニ 手すりの設置
転落防止以外の手すりの設置基準:階段片側に設置(45°を超える場合は両側に設置)
:便所・浴室に設置(玄関・脱衣室に下地の準備)
転落防止の為の手すり :設置
ホ 通路の幅員
日常生活空間内の通路幅員 :規定なし
日常生活空間内の出入口の幅員 :規定なし
へ 寝室・便所・浴室
浴室(寸法・面積は内法) :規定なし
便所(寸法は内法) :規定なし
特定寝室(面積は内法) :規定なし

等級2といえども、ミリ単位の施工制度が要求されます。特に注意が必要な部分は玄関部分で、通常玄関ドアは水返しの為の段差が15mmは既に付いています。すると許容段差の残りは5mmとなりドアの下端がポーチのタイルに擦れそうになります。(長年使用している間に歪みが出来たり、丁番に緩みが出来たりして、将来必ず擦れる寸法です)それが嫌さに少しでも大目に段差を取ると一発で等級1にランクダウンします。
等級3は下記項目をすべて満足する必要があります。
イ 部屋の配置
日常生活空間(高齢者が主に使用する空間)のうち、特定寝室(主に高齢
者が使用する部屋)と同一階にトイレが必要
ロ 段差の解消
日常生活空間内で認められる段差:玄関の出入口でクツズリと玄関外部の段差が20mm以下のもの、且つ、クツズリと玄関土間の段差が5mm以下のもの
:玄関上りカマチ
:勝手口等の出入口・上りカマチ
:浴室出入口の20mmの単純段差、又は、内外高低差120mm以下+またぎ高さ180mm以下+手すり
:バルコニーの出入口日常生活空間外で認められる段差:玄関・勝手口等の出入口・上りカマチバルコニー・浴室の出入口
:畳コーナー等の90mm以上の段差
ハ 階段の安全性
勾配 :22/21以下
:550mm≦けあげx2+踏面≦650mm且つ踏面は195mm以上
蹴込み :30mm以下
曲がり部分の寸法 :適用の除外規定あり
建築基準法 :遵守
形式 :規定なし
ニ 手すりの設置
転落防止以外の手すりの設置基準:階段片側に設置(45°を超える場合は両側に設置)
:便所・浴室に設置(玄関・脱衣室に下地の準備)
転落防止の為の手すり :設置
ホ 通路の幅員
日常生活空間内の通路幅員 :780mm(柱等の個所は750mm以上)
日常生活空間内の出入口の幅員 :玄関は有効750mm、浴室は600mm以上
上記以外(バルコニーを除く)は750mm以上(軽微な改造による確保可)
へ 寝室・便所・浴室
浴室(寸法・面積は内法) :短辺1300mm以上面積2.0㎡以上
便所(寸法は内法) :腰掛け式
長編1300mm以上又は便器前方に500mmの空き
特定寝室(面積は内法) :面積9.0㎡以上

等級3もかなり厳しい基準を要求されます。廻り階段で摘要除外になる形式以外の階段は廻り部分の有効寸法で内側から300mmの位置で踏み面寸法が、195mm以上必要です。この数字は3段廻りの階段にはかなりキツイ条件で910モジュールの階段ではほぼ不可能な数字です。また竣工検査まで気が付き難く、竣工検査で評価3から1へ急降下みたいな事態が発生する事もあります。

等級4は下記項目をすべて満足する必要があります。
イ 部屋の配置
日常生活空間(高齢者が主に使用する空間)のうち、特定寝室(主に高齢
者が使用する部屋)と同一階にトイレ及び浴室が必要
ロ 段差の解消
日常生活空間内で認められる段差:玄関の出入口でクツズリと玄関外部の段差が20mm以下のもの、且つ、クツズリと玄関土間の段差が5mm以下のもの
:玄関上りカマチ(180mm以下)
:勝手口等の出入口・上りカマチ
:浴室出入口の20mmの単純段差
:バルコニーの出入口(180mm以下の単純段差又は、250mm以下の単純段差+手すり又は、屋内・外部共180mm以下のまたぎ段差+手すり)
日常生活空間外で認められる段差:玄関・勝手口等の出入口・上りカマチ
バルコニー・浴室の出入口
:畳コーナー等の90mm以上の段差
ハ 階段の安全性
勾配 :6/7以下
:550mm≦けあげx2+踏面≦650mm
蹴込み :30mm以下、蹴込み板を設置
曲がり部分の寸法 :適用の除外規定なし
建築基準法 :遵守
形式 :安全上問題がある階段形式を用いない
ニ 手すりの設置
転落防止以外の手すりの設置基準:階段片側に設置
:便所・浴室・玄関・脱衣室に設置
転落防止の為の手すり :設置
ホ 通路の幅員
日常生活空間内の通路幅員 :780mm(柱等の個所は750mm以上)
日常生活空間内の出入口の幅員 :玄関は有効750mm、浴室は650mm以上上記以外(バルコニーを除く)は750mm以上(軽微な改造による確保可)
へ 寝室・便所・浴室
浴室(寸法・面積は内法) :短辺1400mm以上面積2.5㎡以上
便所(寸法は内法) :腰掛け式
短辺1100mm以上(軽微な改造による確保可)長辺1300mm以上又は便器前方及び側方に500mmの空き
特定寝室(面積は内法) :面積12.0㎡以上

等級4は等級3に比べ浴室の位置サイズが主に強化されています。
あと、段差の解消と階段の規定・便所のサイズ等が規制を受けます。

等級5は下記項目をすべて満足する必要があります。
イ 部屋の配置
日常生活空間(高

齢者が主に使用する空間)のうち、特定寝室(主に高齢
者が使用する部屋)と同一階にトイレ・浴室・玄関・洗面所・脱衣室・食
事室が必要
ロ 段差の解消
日常生活空間内で認められる段差:玄関の出入口でクツズリと玄関外部の段差が20mm以下のもの、且つ、クツズリと玄関土間の段差が5mm以下のもの
:玄関上りカマチ(180mm以下)
:勝手口等の出入口・上りカマチ
:バルコニーの出入口(180mm以下の単純段差)
日常生活空間外で認められる段差:玄関・勝手口等の出入口・上りカマチバルコニー・浴室の出入口
:畳コーナー等の90mm以上の段差
ハ 階段の安全性
勾配 :6/7以下
:550mm≦けあげx2+踏面≦650mm蹴込み :30mm以下、蹴込み板を設置
:滑り止めは踏み面と同一面、段鼻を出さない
曲がり部分の寸法 :適用の除外規定なし
建築基準法 :遵守
形式 :安全上問題がある階段形式を用いない
ニ 手すりの設置
転落防止以外の手すりの設置基準:階段両側に設置
:便所・浴室(浴室出入・浴槽出入・浴槽内での立上がり)・玄関・脱衣室に設置
転落防止の為の手すり :設置
ホ 通路の幅員
日常生活空間内の通路幅員 :850mm(柱等の個所は800mm以上)
日常生活空間内の出入口の幅員 :玄関・浴室は800mm以上
上記以外(バルコニーを除く)は800mm以上(軽微な改造による確保可)
へ 寝室・便所・浴室
浴室(寸法・面積は内法) :短辺1400mm以上面積2.5㎡以上
便所(寸法は内法) :腰掛け式
短辺1300mm以上(軽微な改造による確保可)又は短辺を便器後方の壁から便器の先端までの距離に500mmを加えた値以上確保
特定寝室(面積は内法) :面積12.0㎡以上


等級5は等級4と違い階段についての基準が日常生活空間外についても摘要
されます。

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